2025/11/10
自動車コラム
電気自動車の整備は困らない?|費用と注意点

目次
結論:EVの整備は「困らない」。ただし工場選びと高電圧対応は要チェック
電気自動車(EV)はエンジンやオイル系統がないため、点検項目が少なく整備頻度は下がる傾向にあります。一方で、高電圧システムに関わる作業は専門教育と設備が必須。結果として「日常のメンテは楽、専門作業は対応工場で」というのが現実解です。厚労省はEV・HVの感電災害防止のため特別教育の見直しを公表しており、事業者は安全教育を受けた上で作業する体制が整いつつあります。厚生労働省(PDF)。
EV整備の基礎:ガソリン車との違い

点検項目の違い
日産はEVの法定点検において、排ガス関連や点火系など「エンジン起因」の項目が不要である一方、充電装置や絶縁監視などEV特有の点検を推奨しています。バッテリー容量は専用診断で可視化され、容量保証(多くの車種で8年/16万km)が用意されます。日産公式。
OBD活用と定期点検の見直し
国交省は自動車の高度化に対応し、目視だけでなくOBD(自己診断装置)を活用した点検方法を認める見直しを示しています。これはEVの電子制御系の診断を制度面で後押しするものです。国土交通省(PDF)。
高電圧に触れる作業=資格と設備が必要
高電圧(数百V)の系統に接触する可能性がある分解・修理は、事業者側で「電気自動車等整備特別教育」に基づく安全教育や手順整備が求められます。利用者としては、入庫時に「高電圧作業の教育受講済みか」「絶縁工具・保護具の管理は?」を確認すると安心です。厚生労働省(PDF)/SAT(講習解説)。
整備・点検の費用イメージ:EVは“消耗品中心”。車検費も把握しやすい
定期点検・年次点検の目安
メーカーや車種により異なりますが、EVの年次点検は「専用スキャンでの診断+消耗品交換(ブレーキフルード、フィルター等)」が中心。テスラも国内向けに年次点検方式と費用表を公開しており、メニューの透明性が高まっています。Tesla サポート/年次点検費用(PDF)。
バッテリー保証と交換
主要メーカーは駆動用バッテリー容量を長期保証(例:8年/16万km)し、著しい容量低下時は修理・交換対応があります。リーフでは容量計が一定以下で無償対応する仕組みが2013年に開始され、耐久性の改善が進んできました。日産公式/Motor-Fan。
維持費のトータルは?
ガソリン代と比べて電費は有利になりやすく、オイル交換が不要なため、日常の維持費は抑えやすい傾向にあります(走行条件・電気料金に依存)。直近の比較記事でも、メンテ費用の軽さはEVの優位点として挙げられています。オムロン ソーシアルソリューションズ。
どこで整備する?工場選びのコツ

まずは「ディーラー or EV対応工場」
新車保証やソフトウェア更新が絡むため、基本は購入ディーラーが第一候補。サードパーティでも「高電圧教育」「絶縁工具」「OBD診断」「感電防止手順」が揃う工場なら安心です。工場のWebに「EV・HV対応」「高電圧整備特別教育」と明記されているかを確認しましょう。厚生労働省(PDF)/国交省(整備士養成)。
入庫前チェックリスト(コピペOK)
- 高電圧作業の教育受講済み・社内手順書の有無を確認
- 絶縁手袋・工具・立入管理など安全装備の保守体制
- OBD診断&メーカー推奨の点検項目に対応
- ソフトウェアアップデートやサービスキャンペーンの取次ぎ可否
- バッテリー容量診断と記録の開示可否
- 見積の内訳(工賃・部品・消耗品・法定費用)の明記
よくある不安への回答
Q. 「近くにEVを診られる工場が少ない」
A. ディーラー網を中心に対応は拡大中。OBD診断・ソフト更新はオンライン連携が一般化しつつあり、距離のデメリットは縮小しています。国土交通省(PDF)。
Q. 「バッテリー交換が高いのでは」
A. 高額になり得ますが、長期容量保証でカバーされるケースがあり、まず診断と保証適用可否の確認を。日産公式。
EVユーザーの整備・維持で押さえる運用ポイント
ブレーキ・タイヤ・足回りは従来同様に重要
回生ブレーキでパッド摩耗は遅くなりがちですが、車重が重いぶんタイヤ摩耗は相応に進みます。ローテーションと空気圧管理を定期化しましょう。
ソフトウェア・リコールの追従
EVはアップデートで挙動が変わるため、メーカーのサービス情報やOTA案内を見逃さない運用が必要。ディーラーアカウント・アプリ連携を有効化しておきます。
充電口・シール部の清掃と防水
充電ポートの異物や防水性能は点検対象。メーカー推奨の清掃方法を守り、接点へのスプレー誤使用に注意。日産公式。
車検時のポイント
法定点検はガソリン車と同様に実施しますが、OBD診断の活用や高電圧系の安全確保が追加。費用は法定費用+点検整備工賃で構成され、メニューの透明性が高いメーカーもあります。Tesla サポート。
EVとガソリン車の点検項目ざっくり比較
| 区分 | EV | ガソリン車 |
|---|---|---|
| 動力源メンテ | モーター・減速機、冷却系 | エンジン・オイル・冷却系・燃料系 |
| 排気系 | 無し | マフラー・触媒・排ガス装置 |
| 電装/診断 | 高電圧絶縁・BMS・OBD診断 | 点火系・ECU・OBD診断 |
| 消耗品 | ブレーキフルード/フィルター等 | 上記+エンジンオイル/ATF 等 |
| 費用傾向 | 日常整備は軽め | オイル・排気系で積み上がる |
まとめ:整備で困らないために今日できること
- 購入前に「最寄りのディーラー/EV対応工場」を地図で把握
- 入庫前に「高電圧教育・設備・診断メニュー」を確認
- 保証(特にバッテリー容量)と点検プログラムの適用条件を把握
- 日常はタイヤ・ブレーキ・充電ポートのケアをルーティン化
内部リンクにおすすめ(サイト内関連記事)
この記事で参照した一次情報
- 厚生労働省:EV・HV整備の特別教育(PDF)
- 国土交通省:OBD活用の定期点検見直し(PDF)
- 国土交通省:自動車整備士養成施設
- 日産:EV点検項目・容量保証
- Tesla:車両メンテナンス(日本)/年次点検費用(PDF)
- オムロン:EVとガソリン車の総コスト比較
要点(100〜180字)
EVの整備はディーラーや教育済み工場の拡大で「困らない」が結論。日常メンテは軽く、専門は高電圧対応が鍵。購入前に対応工場とバッテリー保証を確認し、入庫時は教育・設備・診断体制をチェックすれば、安心して維持できます。
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